第2126回「あなたの好きなスポーツは?」
好きなスポーツは?というトラックバックテーマが目に入ったので、
このお題触れていきたいと思う。
パッと思い浮かぶのは、体操とかフィギュア、シンクロあたり。
自身がバレエをやっていた経験もあり、体の柔軟性や表現力を生かしたスポーツは
見ているのが楽しい。
私がバレエをやっていた頃、最も苦労したのは柔軟体操だった。
元々身体が柔らかいタイプではなく、日々の積み重ねでマシになった方だった。
それでもアダージョのようなゆっくりとした練習曲では、
全身の筋肉がおかしくなりそうなくらい辛かった思い出がある。
あの練習量をこなし、筋肉痛などには一切ならなかったが
足の爪はだいぶ悲惨なことになっていた。
トウシューズをはくようになってから、足の指が徐々に変形し始めて
5本の指が中央に向かっていくような形になった。
それ自体は大して気にならなかったが、親指に出来るマメと小指の爪が壊死して
靴を履くのですら痛かった記憶がある。
いつもテーピングを何重にも巻いていた。
発表会前になると、トウシューズの調整が必要だった。
汗で柔らかくなるトウシューズは、
新品はかたいし、履きすぎても柔らかくなりすぎるので、ほどよく履いた靴を用意する。
だいたい2、3足持っていて、1足は本番用で残りは予備だ。
本番用は一番安定して踊れるものを選ぶ。
トウで立ったとき、回ったとき、安定した感覚が掴めるもの。
本番は、もちろん緊張した。
前で踊っている子を袖幕から見ながら、普段の練習通りだな、とか
今日は調子が悪そうなんてことを他人事のように考えていた。
自分の出番になり、舞台へ出ると頭は真っ白・・・というわけではなく、
冷静な自分と、ノリに乗る自分のせめぎ合いが始まる。
ノリだけで踊りはこなせない。
練習で注意を受けた振付の箇所には細心の注意をはらい、
それでもただ機械的になるのではなく「本番」自体を楽しむ。
そのバランスがこの1回きりの、舞台の醍醐味だと今も思っている。
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