Là bas

普段の日記

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彼女の話〇僕の煙草

ねぇ、この音楽が聞こえるかしら。
バイオリンと、ビオラの混じった音よ。
聞いたことのない旋律だわ。
わたしだって知らないんだもの。

たとえばね、横浜線のわたしの隣に座った人は、
ミワアキヒロの待ち受け画像だったわ。
いつだったか、テレビで見たのよ。
彼の写真を携帯の待ち受けにすると、
なんだか良いことが起こるらしいの。
バカな話ね。
そのテレビを最後まで見る気にもなれなかったわ。
随分前の話よ。

あなたは信じるかしらね。
違うわ、その話じゃないのよ。
漠然と不安なのね。
このまま、全てが流れていってしまうんじゃないか、って。
不幸になりたいわけじゃないの、当たり前だけど。
繋ぎ止めたいのよ。
時間を、とでも言えばいいのかしら。よくわからないわ。

そこまで言うと、
彼女はやっと頼まれたウィンナーコーヒーを一口啜った。

僕はパーカーのポケットからもぞもぞと煙草を取りだし、火をつけた。
そして一息おき、わかるよ、と言った。

彼女はじっとこちらを見て、しばらくすると
嬉しいわ、とだけ言って微笑んだ。

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