Là bas

普段の日記

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美の記憶

白い部屋。
銀色の蛇口から流れる水。
床には木漏れ日がふりそそぎ、
私の素足はほんのりと温められていた。
私は部屋の隅に置かれた椅子に腰かけ、一呼吸する。
私は独りだった。
音楽も食べ物さえない、この世界にただ独りだった。

ふと目を開けると、そこは私の部屋だった。
今はもう流行っていないバンドのポスターが何枚も貼られた壁。
階下では親の声が聞こえる。私は夢を見ていたのだ。

あまりにも鮮烈だったので、私はこの夢を誰かに伝えようと思った。
だが私は思いとどまった。
いくら私が美しいと思ったところで、他人が共感してくれるとは限らない。

私は他人に話さないことで、この夢を永遠に美しいままとっておくことにした。
私だけの美の記憶は、つまり夢である。
私以外の誰も知ることのない純粋な記憶。
そこには私が美しいと感じれば美しいというだけの、
甘美な世界が広がっている。

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